こんにちは、ポケマルの本間です。さて先月末に、農林水産省から平成29年度の「食料・農業・農村白書」が発表されました。ご覧になった方も多いかと思います。
ポケマルでは、若手官僚の勉強会で講師をさせていただくなど、これまで農林水産省とご縁をいただいており、昨日も白書を作成した大臣官房広報評価課にお邪魔してきました。
元々は、ポケマル代表の高橋が全国47都道府県をまわる「47キャラバン」企画のお話をしにきたのですが、お話いただいた長野課長がとてもとてもアツい方で、、、。急遽インタビュー的に切り替えることになりました。白書の内容はもちろんですが、後々驚愕の気づきが。「農林水産省の窓」を目指す長野さんの言葉に共感した内容を、お届けします(後半をお見逃しなく!)。
農林水産省、大臣官房広報評価課の長野課長。とにかく終始笑いが絶えない時間でした。
▼今回のテーマは若者、それと海外
白書をひらくとまず目につく特集。今回のテーマは「次世代を担う若手農業者の姿」とあります。49歳以下(これが若者の定義です)の農業者について、農林業センサスや約2000人のWebアンケートから、その意識や現状が見えてきます。
「まず前提がこれです。販売農家のうち若手農家は1割、それ以外が9割という数。そして、1000万円以上販売している割合を見ると、若手農家の45%に対して、それ以外はわずか4%という差がある。経営規模の拡大も圧倒的に若手農家が多く、この若手をどう増やしていくかがとても重要です。」
長野さんの説明は続きます。
「そして、農業経営の課題の推移。資金調達の課題意識は、年数が長くなるほど低くなっていくが、労働力不足の課題意識は年数につれて増えていきます。」
つまり、若手農家は概して規模が大きく成長率も高い傾向があり、その成長をささえる人材確保が焦点になっている。また、若手農家は単位面積あたりの労働時間が短く、そのための設備投資をしている傾向も見て取れます。こうした成長余地の大きい若手農家をいかに増やすのか、その大切さが数字で浮き彫りになります。
「課題である人材確保については、若手がなにを農業の魅力として感じているかを見るのも大切でしょう。一番にきてるのが「裁量の自由度の大きさ」で46.5%。ついで2番も「時間の自由度の大きさ」。通常の企業勤めからの転職農家もよく拝見しますが、サラリーマンと違う自由な環境が魅力と感じてる傾向があるようです。」
そして、規模を拡大していく若手農家が狙いうる伸びしろのトピックとして、海外マーケットがあげられています。たとえば、世界の人口増にともなう食料の需要の伸び(10年で約3割増)がデータでしめされています。
また海外の日本食レストラン数も強烈です。2年で3割増というすごいスピードで伸びており、その数はすでに11万8千店。ベースの食料需要増に加え「日本食・食文化」への注目の観点でも海外の重要性が強調されています。
▼生産者と消費者をかきまぜるのよ!
白書のダイジェストをご紹介いただきながら、こちらも質問を繰り返す形で時間が経過。進めるにあたり、おや、と何かを感じてきました。
本間「総じて若手農業者の重要性はもちろんですが、一方で絶対数が少なかったりうまく続けられない人がいるのも現実です。もっと若者農業者が活躍し、働き手が増えるようにするためには何が必要でしょうか。」
長野さん「農家一人ひとりが価値を生み出し稼ぐ、ということでしょう。たとえば栽培方法だったら有機栽培はわかりやすい価値になりますよね。それぞれのやり方で、「価値型の農家」が増えていくことが重要と思います。そしてその価値を、直接消費者に訴求したい、消費者とつながりたい、そう考えているのが若手農家なんです」
本間「そのためには、何が必要でしょうか。」
長野さん「価値を現場でつくってるのは広告代理店じゃなくて、農家自身です。それを自分で語って伝える、それしかないでしょう!」
本間「それを不得意とする農家の方もいらっしゃいます・・・」
長野さん「(生産者と消費者を)かきまぜる!じゃないですか!自分と違うものを見てこそ自分を知る。他者を鏡とすることで、自分で自分の価値に気づき語れるようになる。消費者と積極的にふれることだと思います。」
・・・・もう、まさにポケマルじゃないかと。つくる人は食べる人を知らなくてはならない。自身の価値を、みずから語ること。つくると食べる(都市と地方)をかきまぜる。。。常日頃から、私たちが話している言葉そのものでした。(ポケマルアンバサダーになっていただけないかと心の中で100回くらいつぶやきました。。)
「こういうことばっかり言ってるから、異端児あつかいなんですよね」とあっけらかんと笑う長野さん。こうした考えをマジョリティにしていきたい、そしてその省内での理解も増えてきているとも話してくれました。
ポケマルは、「生産と消費をかきまぜる」「一次産業を情報産業にする」というビジョンをかかげてサービスを展開しています。国やJAや体制を批判することは簡単ですが、個人単位でも共感の輪をひろげ、ビジョン実現へ歩を進めたいと思います。
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