なぜポケットマルシェを始めたのか

ポケットマルシェ代表の高橋博之です。なぜこのサービスを始めたのか、思いを聞いてください。

答えは、単純です。小中規模農家が食べていける道をつくりたかったからです。


14年間、生産現場を歩いてきて、小中規模農家から「今の大規模流通に頼るだけじゃジリ貧だ」という声をたくさん聞いてきました。どうしたらいいのか聞くと、価値を認めてくれる消費者に直接売りたいという答えが圧倒的に多かった。土日に都会でやっているマルシェなどがそういう場なのだけれども、土日しかやってないし、都会までわざわざお金と時間をかけて行かないといけない。

そんな声に触れ続け、じゃあ、畑にいながら毎日マルシェに出品できるようになればいいよね!と、つくったのがポケットマルシェです。ポケットの中にあるスマホで毎日どこでも簡単にマルシェをできるようにしたいとの思いから、ポケットマルシェ(通称:ポケマル)と名付けました。


農家さんは忙しい。だから誰でも簡単にスマホから出品できるように設計しました。お客さんから注文が入るとスマホに通知が来て、自動的にヤマトのドライバーさんが住所を印字した伝票を持ってきてくれるので、ドライバーさんに渡すだけで翌日都会のお客さんに届きます。ね、とっても簡単ですよね!


マルシェと同じように、お客さんと会話できる機能も実装しました。おすすめの食べ方や保存方法などのやりとりはもちろん、実際に届いて料理して食べた後の「こんなふうに料理して食べました。とってもおいしかったです。ごちそうさまでした!」といった感想まで届きます。これが何よりうれしいと農家や漁師さんに喜ばれています。

お客さんからしても、ポケマルは全国各地の産直やマルシェが一ヶ所に集まっているマーケットなので、そのときの旬の食材をスマホで簡単に買えることになります。


効率を追う大規模流通には規格というものがあり、この規格に合わないものは自家消費されるか、隣近所におすそ分けされるか、場合によっては捨てられてきたものもありました。実はここにおいしい「隠れた逸品」がたくさんあったのです。そんなお宝の逸品にも出会える場、それがポケマルです。

大漁だったからとオマケを奮発してくれる漁師さんがいたり、「息子はニンジンが苦手なんです」と農家に伝えると、「それでは野菜セットのニンジンを減らして、その分枝豆を増やしておきますね」といったやりとりが生まれたりします。こういう買い物の仕方、スーパーではできないですよね?


なぜ、小規模農家を守りたいのか。手間暇かけてこだわりの農産物を育てている小規模農家は、その地域の自然に合ったおいしいものをいろいろつくっているからです。彼ら彼女らが日本の食文化を支えてきたと言っても過言ではありません。

ぼくはこれからもおいしいものを食べ続けたい。そして将来、仮に小規模農家が絶滅して、おいしいものを食べれなくなった子供たちから「父ちゃんたちは食い逃げした」と非難されたくない。行政が支援する大規模農家しかいなくなったら、食の安全保障がガタガタになるのも不安です。大規模農家は資材や肥料を海外から輸入して成り立っています。いろんな外的要因で仮にそれらが入ってこなくなったら、この国の人間は飢える他ありません。

だから、この国の未来の食を自分たちの手で守るために、ポケットマルシェを始めました。全国の農家、漁師のみなさん、是非、仲間になってください。日本の豊かな食の世界を次世代に胸を張って受け渡せるように一緒に立ち上がりましょう。



株式会社ポケットマルシェ

代表取締役 髙橋 博之