こんにちは!ポケマル生産者サポートチームインターンの石川です。
生産者サポートチームのお仕事は、生産者のみなさんのお困りごとを解決することと、生産者のみなさんにとって役に立つ情報を発信すること。
どのような情報ならみなさんの役に立てるかを考えた結果、今回は2018年のポケマル年間生産者ランキング1位に輝いたくだもの屋にへじ渡邊直樹さんに、ポケマルの使いこなし術をインタビューさせていただくことにしました!
コミュニティページの使い方からお客さんへのメッセージ、梱包まで、渡邊さん流のコツが盛りだくさん。どうぞお楽しみください。
ーーこんにちは!今日はよろしくお願いします。
渡邊さんのコミュニティページはいつも賑わっていますね。最近は温泉の話など商品と全く関係ない投稿も多いようですが、何か意図があるのですか?
全く関係ないことを書くのは何もない時期の穴埋めでもあるんですが(笑)、やっぱり3〜4ヶ月も投稿が空いてしまってはお客様の気持ちも離れていってしまいますよね。それを防ぐためにも、冬の間にも農家はこんなことをしているんだよ、とか発信することでお客様から忘れ去られないようにしています。 また、商品だけじゃなく自分というものに目を向けて欲しいとも思っていて。
ーー確かに、渡邊さんのプロフィール文章は趣味の話など個人的な話が多いですね。
(↑渡邊さんのプロフィール文抜粋)
お客様の頭に残るようなユーモアさも、真面目な一次産業には必要なのかなと思っています。こんな書き方をしていると、ざっくばらんで近づきやすいという感じがしませんか?生産者を身近に感じてもらうというのはそういうことかなと思っています。
ーー渡邊さんからお客さんへのメッセージも、絵文字が入っていたりとフランクな印象を受けます。
ポケマル生産者の中で、お客様とのメッセージのやりとりの仕方は2タイプに別れてきているように思います。LINEのように短文でどんどんやりとりするタイプと、うちみたいに比較的長文のメール形式で時間をかけてやりとりをするタイプと。
私自身は40代とメール世代でLINEにもあまり慣れていないので、後者にしていますが(笑)昔から文章を時間をかけて書いて表現してきたので、その経験がポケマルでも活きているなと思います。
それから、これまでの経験上メッセージを読むお客様は30〜50代の女性の方が多いので、少し砕けた内容の方の方が取っつきやすいかなと思って絵文字などもあえて入れるようにしています。
ーーなるほど。渡邊さんがお客さんとメッセージをやりとりする際に気を付けていることは、他にどんなことがありますか?
お客様がこれまでに何回買ってくれたかを見て、頻度が高い方には書く言葉を変えるという生産者さんは多いと思います。 私の場合はさらに、お客様が前回何を買っていたか注文履歴を遡って見て、それに応じて文章を変えています。
例えば桃の場合、時期が早い品種と遅い品種では食味が全く違うんです。そのため、そのお客様が前回は何の品種を買っていたかまで遡って「前回と比べて今回の品種はこんな特徴があります、それを楽しんでください」というようなメッセージをお送りしています。
また、お客様が前回買ったのが1ヶ月前か2ヶ月前か、しばらく空いたのかとか、それによって言葉は変わってくるとも思います。
何回買ったかのかという回数を見ることも大事ですが、頻度を見たりとお客様がどういった思考で買ったのかを探って、そこから言葉を作り出すということをすれば、お客様にも「自分のために書いてくれたんだ」というのが伝わるのではと思っています。
(↑渡邊さんの発送完了メッセージ)
ーー渡邊さんは商品の味やコミュニケーションもさることながら、程よい分量や可愛らしい箱でも評判ですね。
うちではポケマルに移行する前から、農産物をずっと直売所で販売していました。直売所では農家さんが同じような箱で出品しているので、お客様にとって商品を選ぶ際の動機付けにあまり差が無く、値段だけで比較してしまいがちです。 そんな中でも自分の商品を手に取ってもらうためには、箱のサイズ感や詰め方の丁寧さが重要になると考えました。
サイズ感については特に、お客様が本当に欲しがっているものと、自分たちが提供したいものは違うのではないかと探っていくことが大事です。農家さんは「割安で買いやすいですよ」とか言って大きな箱に商品を入れがちなのですが、お客様が本当に欲しいものを考えていくと、小さい贈答箱とかちょっとした手土産箱だったりするのです。
手間がかかるから作らない、というのは農家側の怠慢・エゴなのではと思っています。私の場合、そういう手間をかけた取り組みが結果としてポケマルのお客様から気に入ってもらえたようです。
ーー箱のデザインはどのようにして生まれたのですか?
(↑くだもの屋にへじさんの箱。間違い探しにもなっている新潟県のイラストの中には、農園の場所も示してあります。)
「女性が片手で持てて、手土産にもできる箱」というコンセプトで作りました。あまりに華美な箱に入った手土産というのは、もらう側も気を遣ってしまいますよね。
「気を遣わない程度だが、もらって嬉しい」という、もらう側を主体としたデザイン構成を考えて、あえて一色刷りで素朴な感じに仕上げています。 さらに、この箱は1段でも2段でも発送サイズが同一になるように調整しているので「1段目はイチジク・2段目は梨」など、お買い得感アップと別箱での包装にすることによる安心感を高めることを狙って包材の開発をしました。
ーー以前渡邊さんのイチジクをいただいた際には、その詰め方のきめ細やかさに驚かされました。
(↑軸の部分で他のイチジクを傷つけないよう、最新の注意が払われている)
ポケマル用の商品作りの場合は、直売所用と同じ商品であっても到着後でも発送したときと同じ荷姿になるかどうかの発送試験をすることにしています。
遠くに住む知人に到着後の外観、中身などをレポートしてもらったり、親しいお客様に到着後の荷姿写真を送ってもらったりしながら、荷崩れしていないか確認します。「開けたときの喜び」も重要な商品開発のポイントとして考えています。
梱包資材も納得するまで改良しつづけています。くだもの屋にへじにとって、商品とは農産物そのものだけでなく、外装、包材、詰め方までとことん考えてやっと仕上がるものだと思っています。
ーー渡邊さんが商品づくりにあたって参考にされているものはありますか?
1年に何度か東京に行くことがあるので、その際には必ず千疋屋に行くようにしています。 千疋屋では店頭でパッケージを作っているので、それをまじまじと観察してみたり、フロアマネージャーとお話させてもらったりします。
良い商品をいい値段で売るというのがどういうことか、理解するには都会のそういう店に行って実際に話を聞くのが一番早いと思っています。 うちの果物は贈答品の部類に入るので、高級フルーツ店の考え方って大事だなとつくづく感じています。
ーー最後に、他のポケマル生産者さんにオススメするポケマル活用法などあれば、コメントお願いします!
農家さんなら、季節問わずお母ちゃんやおばあちゃんが色んな作物を家で作っていることが多いでしょう。 自分の主力商品がなくなったからといって出品を止めてしまうのではなく、主力商品以外もきちんと価値があると自覚して出品してみるとポケマルはもっとおもしろくなるのではないでしょうか。
自分の場合は商品の作り込みと、お客様が喜んでくれるような文章の作成に傾注していますが、生産者さん各自が得意な表現方法でお客様の支持を集めていけたらいいのではないでしょうか。
ーーありがとうございました。今年の渡邊さんのご活躍にも期待しています!
(インタビューを終えて)
今回は渡邊さん流の販売術についてお伺いしましたが、ポケマルの使い方には正解がありません。生産者のみなさんも、まずは肩肘張りすぎることなくご自身の自由な考えで気軽に出品や発信に取り組んでみてくださいね。
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