商品設計が求人に繋がる!? 農業界専門の採用コンサルが販売サポートに関わって気づいたこと。

こんにちは、ポケットマルシェにご登録頂いた生産者さんへ販売サポートをおこなっている細越です。


先日、直販する際に気をつけたいことについて記事を書きました。生産者さんにとって販売の仕方は悩みが尽きないですよね。そして、もう1つ大きな悩みとして第1次産業での人材確保があげられると思います。


実はわたくし、ポケットマルシェに関わる前に第1次産業に特化した人材採用支援の会社で農業界専門の採用コンサルでした。いまでも農家さんへのアドバイスをおこなっています。今回はその経験を踏まえて「農業界の人材動向」「求人サイトの使い分け」についてお伝えしていきたいと思います。



▼市場環境:新規就農者数は増加傾向

まず、最新の農業界の人材動向について見ていきたいと思います。



農林水産省が公表している農業労働力に関する統計によると、農業に従事する「農業就業人口」は2016年に初めて200万人を割り込み、2017年には更に11万人が減少し、181万人となっています。その中でも、主に農業で生計を立てている「基幹的農業従事者」は2017年には150万人となり、2010年に比べると30%減少していることがわかります。

※農林水産省 農業労働力に関する統計より


「減少」というネガティブな言葉が続く一方で、2012年に比べると新規就農者、中でも「新規雇用就農者」、つまり農業法人などに雇用された人の数は増加しています。特に新規雇用就農者は2012年に比べると1.4倍にもなっており、農業界での雇用が増加していることがわかります。

※農林水産省 農業労働力に関する統計より

考えられる要因としては、2009年に農地法が改正されて以来、3,030法人(2017年12月末時点)が農業界に新規参入したこと。さらに2008年から始まった就農希望者を新たに雇用して農業生産や経営ノウハウなどの研修を行う際、その研修費用の一部を助成する農の雇用事業が大きく関係していると考えられます。



▼第1次産業分野の求人情報サイトへの登録者数は激増

次に、求人状況を見ていきましょう。


第1次産業分野に特化した求人情報サイト、第一次産業ネットにデータを拝借したのでご紹介したいと思います。まず、求人数については下半期から上半期にかけて約1.2倍のペースで増加していることがわかりました。昨今では「新卒で農業」の選択肢も増えていることから、下半期から上半期に求人数のピークを迎えることが頷けます。

※第一次産業ネット提供


では、サイトへの登録数と応募数はどうでしょうか?求人の数が増えたとしても、サイトに登録する人、さらには応募する人が増えてるのかが重要になってきます。


※第一次産業ネット提供


2013年までは求人への応募数が登録者数を上回っているか、ほぼ横ばいです。しかし、2014年以降、サイトへの登録数が求人への応募数を大きく上回っていることがわかります。その反面、応募数はほぼ横ばいですね。これはどういうことを意味しているのでしょうか?私は、いままでは農業をやりたい人たちが集まるサイトから、農業に興味があるので「情報収集」したい人が増えたと考えています。


つまり「農業に興味があり、望む求人情報があれば応募する」というスタンスの転職希望者が増えたといえます。逆に言い換えると、求人情報がマッチすれば、農業界に人材が流れるチャンスは必ずあります。



▼「農業がやりたい」だけの転職理由は少ない

では、農業をやりたい人はもちろん、農業に興味を持ってくれた人に対してどんな求人情報が刺さるのか、私の経験を踏まえてお伝えしていきたいと思います。


まずお伝えしたいのは、転職希望者の立場を想像することです。


当時よく相談を受けていたのは「労働力が足りないから人材が欲しい」という内容でした。もちろん、それが事実であることは上述のデータからも読み取れます。「なんとかして欲しい」という気持ちもヒシヒシと伝わってきていました。しかしお話している中で、転職希望者の目線に立っている方が少なく思えてしまいました。有効求人倍率が高い昨今の日本社会において、人材は他産業との奪い合いです。これではせっかくお金と労力をかけたとしても、求人の応募数は増えません。



私は求人企業だけでなく転職希望者にもお会いしてお話してきましたが、気づいたことは「ただ単純に「農作業がやりたいから」という理由の方はそれほど多くない」ということでした。転職希望者の多くは、農業界以外で経験を積んだ後に経験を活かして農業界を変えていきたい貢献していきたいと思っている人や、農業生産法人などで現場経験を積んだ上でキャリアアップを目指されている方が多かったのです。


▼自分の子供に働いて欲しい会社の条件を考える

では、転職希望者が「働きたい!」「話を聞いてみたい!」と思えるようにするためにはどうすれば良いのでしょうか。


私は、自分の子供が「働きたい会社がある」と相談をしてきた時のことを想像してみましょう、そうお話していました。


例えば、経営理念3年後、5年後、10年後のビジョンはしっかりしているのか、給与待遇休日はしっかりしているのかなどはもちろん、どんな環境で、どんな人が働いているのか入社後は誰から教わるのかなど、、、職を選ぶ際に知りたい情報は多岐に渡ります。



こうした情報を、オープンに開示することが非常に重要です。「顔がみえる」という意味では、当人はもちろん、例えば教育係になるような従業員の方の写真があると良いケースも多いでしょう。



▼採用したい人材ケース別のおすすめ求人方法

最後に、人材を採用する際に知っておくべきサイトの使い分けについてご紹介します。求人サイトは70社以上あると言われており選ぶのが大変です。思いつくだけでも、ハローワーク、インディード、リクナビ、マイナビ、パソナ…などなど。


転職支援サービスを利用する際は、一般的に転職希望者の年収の30%を成功報酬とする決して安くはない金額がかかってきます。自社の抱えている課題を整理し、採用したい人材を具体的にイメージした上で、目的にあったサービスを使い分けすることが大切です。ここからはケース別のおすすめを記載します。


・経営者の右腕、営業担当者としての採用を考えている場合

経営者の右腕、営業担当者としての採用を検討しているのであれば、大手転職支援サービスを活用することをおすすめします。農業界で働く選択肢がない人も、魅力ややりがいが伝われば転職先として考える人も出てくる可能性があります。値は張りますが新・農業人フェアを運営しているリクルートグループやマイナビ農業を運営をしているマイナビなどに相談してみると良いでしょう。


また、登録求人者の数では大手転職支援サービスにかないませんが、第一次産業ネットやあぐりナビなどの第1次産業に特化した人材採用支援の会社にも経営者の右腕、営業担当者に該当する人は登録しています。併用することを視野にいれるとよいでしょう。


・農場長、現場スタッフとしての採用を考えている場合

農場長、現場スタッフであれば第1次産業、農業界に特化している人材支援サービスの強みが生きる分野です。私が知る限りでは本気で農業界、農家さんのためを思って向き合っている採用コンサルタントが多いです。私個人としても、ご自身で農業を営まれていた54歳の方を転職支援に成功したことや、新規就農希望の30歳の方を転職支援に成功したこと、とても感謝され一緒に喜んだことを昨日のことのように覚えています。


さらに、大手転職支援サービスには登録していない農業界で働きたいやる気ある人材が集まっています。特に、農業界でのキャリアアップを考えている現場でキャリアを培ってきた人の採用を検討している方は、知っておくとよいでしょう。


例えば、某大手農業法人で農園長だった人のキャリアアップの為の転職支援をしたり、某大手種苗会社で30年以上勤めていた方を新規農業参入企業へ顧問アドバイザーとして転職支援したこともあり、農業界のエース級の方々も登録されています。



・新卒(将来の幹部候補)としての採用を考えている場合

「新卒で農業」という言葉は、もしかしたらまだ聞き慣れない方もいらっしゃるかもしれません。


しかし、上述した通り新卒の登録者数は年々増加しています。また、農業界の合同説明会は年々盛り上がっており、2018年に行われた「食・農就活サミット」では農業・食品業界のトップランナー40 社・就活生359名が全国から一堂に集結しました。また、2017年に行われた「アグリク」では出展企業数は約50社・就・転職者は500名以上を記録したとのことでした。年々規模は拡大しており、農業界に対する関心の高さと興味の表れを感じることができます。



また、求人や合同説明会の他にも、自社ホームページやSNSもしくは日本農業法人協会などを利用して大学生インターンの募集や、ボランティアの募集などをすることも有効です。実際に一緒に働くことでお互いのことを理解し、卒業後の就職先、または社会人経験を積んだ後に転職先として考えて貰うことができます。


・SNSの活用も是非がんばりましょう

最後に、全てのケースで当てはまりますが、最近ではフェイスブックやインスタグラムなどのSNSを活用して、人づてに人材の募集をされている方も多く見受けられます。無料で出来るものですので、慣れるまでに少し大変かもしれませんがぜひ活用していきたいですね。


SNSに載せる情報は求人情報と大きく違いは無くて大丈夫です。また、求人と直接関係なくても会社ホームページにあるような情報でも。こまめに発信を続けることが重要です。


中でも、「人材を募集する理由(困っているのか、事業拡大のためなのかなど)」「連絡先」は必ず載せましょう。また、発信をする前に、友人5人くらいに「人材を募集している旨を投稿するからイイネとかシェアをして欲しい」と相談することも効果的です。そして、意外と放置してしまうケースがありますが、当然、連絡が来たら返信することを忘れずに。


以上、農業界専門の採用コンサルとして、当時のことを振り返りながら「「農業界の人材動向」「サイトの使い分け」についてお伝えしてきました。当時のことを振り返り、改めてポケマルで出品のサポートをしていると人材を募集する際の求人情報と出品する際の商品情報には、共通するものがあると思いました。それは、どちらも相手(転職希望者/ユーザー)の目線に立った上で、伝えるべきことをまとめる。そして、その伝えるべきことは自社の魅力になるので、どちらもとても似ているものであるということです。


ポケットマルシェとしては販売のサポートをメインとしながら、今後も生産者さんに役立つ情報を発信していきたいと思っています。



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