イオン農場が個人直販に取り組む3つの理由|小早川結城さん/イオンアグリ創造株式会社 徳島あわ農場/徳島県阿波市

「スーパーやJAなど安定した大規模な出荷先があれば、少量個人の流通なんていらない。」「少量での個人販売をするならそれに特化すべきだ。」そう思っている生産者の方も多いのではないでしょうか。


「大手流通・個人流通の両者を共存させつつ規模拡大する」

そんな第三の道を示してくださったのは、イオンアグリ創造株式会社 徳島あわ農場 農場長の小早川さん。もともとIT企業のシステムエンジニアとして働いており農業はまったくの未経験だったという小早川さんですが、現在はスタッフ13人、グローバルGAPも取得した農場を経営されています。そんな小早川さんに、イオングループという大きな販路がありながら、ポケットマルシェを通じて個人への直接販売も行う理由について聞きました。




ーーイオン徳島あわ農場さんの経営規模や販路を教えてください。

現在3.2haを正社員3名とパート10名の合計13名で経営しています。イオンアグリ創造株式会社はもともと農業未経験のイオングループ社員が集まって始めていて、あわ農場もスタッフは全員農業未経験者です。出荷先は基本的にイオングループ系列が多いのですが、地域によっては近くに店舗や事業所がない場合もあるので、それぞれの地域の農場ごとに決めています。



徳島あわ農場の場合は、四国を中心に展開するマルナカというイオン系列のスーパーに生産量の大部分を出荷しています。マルナカもかなりの店舗数がありますし、農場規模もまだそれほど大きくないので、他のイオングループから声がかかっても卸せていない状況です。



ーーすでにそのように大量に卸せる出荷先があるにも関わらず、どうしてポケマルを利用されているのですか?

まず一つ目の理由としては、せっかくこだわって栽培しているのでので、ぜひ全国の消費者の方々に伝統的な農産物や希少種の野菜を知ってほしい、食べてほしいという想いがあるからです。特に私たちの既存の出荷経路では関東の方に出すことはできません。ですので、ぜひポケマルを通じて関東圏の方々にも食べていただきたいと思っています。



二つ目の理由は、都市圏のニーズを知ることができるからです。やはり四国の田舎のスーパーではトレンドの波が伝わって来るのが遅いんですよね。例えばロマネスコなどの野菜も、認知があって買ってくださるのは関東の方です。ポケマルを使っていると、地元のスーパーに出荷できないものでも買ってくれるお客さんがいるので、そこに確かなニーズがあることを確認できます。そういった都市圏のニーズを知ることで、今後四国にも来るであろうトレンドの波を予測することができます。



そしてもう一つ、ポケマルにはいわゆる規格の概念がないというのも販売をしている理由です。これまでの青果流通では、市場の中に出回るものはすべて規格があり、この時期にこの状態で収穫する、というルールが当たり前にあったわけです。ですが、ポケマルの場合はそうした絶対的な慣習がなく、規格にとらわれずに販売できるのがすごいと思います。やはり、スーパーに出荷する際はある程度規格を揃えて出さないといけないので、規格外でも美味しく食べていただけるというのは生産者にとっては嬉しいことですね。



ーー珍しい品種や規格外の野菜について、ニーズがあると分かればその後の栽培から販売の計画にも反映させていく可能性はありますか?

もちろんあります。そもそもですが、一般の規格に沿っているものが美味しいとは限らないのです。例えばほうれん草は大きいものの方がえぐみが少ないと言われているのですが、スーパーに売ることができるほうれん草はサイズが決まっていて、収穫もそれに合わせて小さな状態で行います。



ーーそうなんですか!大きい方がえぐみが少ないなら、私はそっちを食べたいと思いますが……

そうですよね。特にポケマルのお客さんのような都市圏の方々は、新しいものを取り入れる感覚を持っていて、農産物を単に規格のみで評価しているわけではないのです。私たち生産者側も「消費者が本当はこういうものを食べたがっているんだ」というニーズを把握できれば、「じゃあそれを作って売ってみよう」という動きが出てきます。

今後大きいほうれん草が時代の当たり前になってくる可能性もあると思うので、こういったニーズをどんどん聞いて、時代の先を読んだ栽培と販売先への提案を積極的に行なっていきたいと考えています。



ーー正直なところ、ポケマルを使うことでオペレーション的な手間は増えませんでしたか?

スーパーに出荷するのよりも手間がかかる、ということはありませんよ。むしろそんなに面倒な手間が増えるのであればやっていないと思います。(笑)例えばトマトであれば、収穫する際に規格外のものを別のコンテナに選別しますが、ポケマルへの出荷の場合はその入れ物が段ボールになる、という違いだけなので大した違いはありません。



また、物流費も込みで継続していけるような価格設定でポケマルにも出品していますので、経営的にも継続していける仕組みだと思っています。自分の作った野菜を食べた人から直接「美味しい」という声が聞けるのはモチベーションにもつながりますしね。



ーーこれからの販路についてはどのような戦略を立てていますか?

今後全国のイオングループに出荷できるように大手流通も拡大していきたいと思っていますが、だからといって個人流通をないがしろにしていくということはありません。

個人流通には、先ほどお話ししたように続けていくメリットがあると考えているので、大手流通と個人流通はどちらのお客さまニーズにも応えられるよう、より一層品質や味にこだわりながら、伝統農産物や希少種の普及拡大を進めていきたいですね。



ーーありがとうございました。


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