独自性のある商品づくりのために|直販農家のためのFun×Fanマーケティング講座④

皆様、こんにちは。大平恭子です。

「直販農家のための、Fun×Fanマーケティング講座」は、今までの実践や講演セミナー内容、指導アドバイス事例を、大平流に連載ブログ形式でお届けするものです。本編の4回目のテーマは、「独自性ある商品づくりのために」です。


◆自分のこだわりより「生活者がお金を払う理由」を

 Vol.1では、リンゴを例にとり、「農産物」としての「リンゴ」、「食べ物」としての「リンゴ」について、その違いを説明しました。「農産物から食べ物へ」と意味付けが変わることで、買う人にとっての興味や「自分に必要なもの」としての認識が深まってきます。さらに「商品的な側面」となると、金銭的なやり取りの中で、「それを手にすることで得られる効果」や「お金を払うに値するのか、魅力があるのか」に考えがシフトしてきます。


 直販農家の場合、買い手である生活者との間で直接コミュニケーションが取れるため、買ってほしいがために、商品そのものや自分のこだわりを全面に出して押してしまいがちで、それを「独自性」と捉えてしまいがちです。しかしながら実際には、生活者は上記に書いた通り「お金を払うに値するのか、その理由の提示」を期待しています。初めて出会う買い手の方たちとは、社会の中で慣例化している売り方や食材の組み合わせによる食卓提案・メニュー提案を参考にしながら、その中で自分らしさをトッピングしていくことが無理のないやり方です。


◆流通業のプロモーションや雑誌の特集記事の例


 社会の中で慣例化している売り方例として、流通業のプロモーションや雑誌の特集記事の例からご説明したいと思います。

 通常、流通業においてプロモーションは1年を52週に分けて展開します。例えば「ひな祭り特集」や「春の行楽特集」などのテーマに応じて売場を作り、陳列した商品を注目させ、購買に結び付けるという施策です。また雑誌の特集記事は、季節の手作り料理やスイーツ、健康美容等のライフスタイル提案が満載です。


今が旬のイチゴを例にとると、春のごちそうの後のデザートとしてのイチゴ、手づくりバレンタインケーキの素材としてのイチゴ、インフルエンザ予防のために取り入れたい健康食材としてのイチゴ(イチゴは果物100gの中でビタミンC含有量がトップ)等々、その理由の提示は、直販農家の「らしさ」と繋がることで、「その人だけのもの」になってきます。 


◆「独自性は作付けから」で差別化


 また、作付けの時から戦略的な視点で作戦を立てると、それだけで、提案度合いが高まります。


例えば、飲食業界において同じ品目の色違いというのは、料理の華やかさが表現でき、食べるお客様の興味を引くことから重宝されています。これに対し自分なりの栽培基準や大きさ、食味基準等の指標を設け、パッケージ化して提案することは、直販農家ならではの「独自性」に繋がります。


別の例でいうと、知り合いの生産者さんは、自身の病気の経験から、野菜を通じて疾病予防を伝えたく、より「抗酸化力が高く、栄養密度の高い」野菜に栽培を切り替えました。「畑が健康を伝える場」、これもまた、直販農家ならではの独自性となります。


 以上、直販農家の「独自性のある商品づくり」に向けた考え方や実践のための知識をお伝えしました。「商品づくり」は、視覚的に訴求する丁寧な梱包やラベルデザイン等で語られることが多いのですが、それは表面的であり、印象づけのことです。より、自身の「直販」を強めていくのであれば、それは畑から始まっている、と言ってもいいかもしれません。この記事が皆様の「気づき」と「行動」に繋がりましたら幸いです。

©2018 Brandstory


【プロフィール】

ブランドストーリー 代表 大平恭子

食農連携の分野で「売り方・食べ方で人と地域を活性」をミッションに、付加価値化と魅力増大を図る専門家。生産者・農産物ブランディング、食事業者に対する健康食材コーディネートやレシピ開発、加工品開発支援、講演セミナー等を行っている。

健康的でポジティブなライフスタイルを実践するために始めたランニングは1年で10km走れるようになり、2018年3月には名古屋でのハーフマラソンに初挑戦の予定。

6次産業化プランナー、野菜ソムリエ上級プロ、アスリートフードマイスター

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